Lifespan - why we age and why
we don’t have to
私は、デビッド・A・シンクレア ハーバード大教授の著書『LIFE SPAN―老いなき世界』に深い感 銘を受けました。老化を病と捉え、その進行を遅らせるために分子レベルで介入する⻄洋医学の先端的 な視点は、私たちの未来に新たな希望を示しています。しかし、老いは単に遺伝子や細胞の変化にとど まらず、日々の生活習慣や心の在り方とも密接に関わっています。
そこで私は、⻄洋医学の科学的根拠を基盤としながら、東洋医学の叡智――気血水の調和、食養生、 瞑想や呼吸法、自然との共生といった要素を取り入れることに大きな意義を感じています。例えば、食 事においては有機食材や発酵食品、抹茶など抗酸化作用を持つ伝統食を取り入れ、身体面では適度な運 動と柔軟な身体操作を実践。さらに精神面ではマインドフルネスや茶道的所作により心を鎮め、ストレ スを和らげます。 茶道家としての視点から申し上げれば、一碗の茶を点てる所作には「今この瞬間を大切にする」知恵 が宿り、和・敬・清・寂という茶道の精神は老いと向き合う心の軸を与えてくれます。
すなわち老化へ の対処は単なる医学的延命ではなく、暮らしの美と心の静けさを取り戻す営みであり、東⻄の知を融合 することでこそ、真に健やかな「老いなき世界」が花開くと考えます。